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続けて葬儀がありました。
先月100歳の誕生日を迎えた方でした。生前の穏やかな人柄は、死も穏やかだったようです。特に大きな病気を抱えていたわけでもなく、亡くなった当朝も施設の職員さんとやりとりをしていたそうです。
元来、人を決して悪く言わず「大丈夫、大丈夫」が口癖で、ご家族が言うには、「おばあさんは本当に皆さんにかわいがってもらえた」とのことでした。
お孫さんが慣れない喪主を務められ、大変素敵な、ご立派な葬儀でした。
さて、もうひとつ、強烈に印象に残った出来事がもうひとつありました。
『御文章』拝読の時、一番かわいがってもらったというお孫さんが
「朝には元気な顔をしていても、晩には物言わぬ顔となります」
と拝読すると、顔に手を当ててむせぶように泣き始めました。
そして御文章終盤の「必ずたすけるとおっしゃる阿弥陀さんにおまかせして」というくだりで、表情がパッと明るくなって、顔に当てていた手を合わせられました。
浄土真宗には「聞即信」という言葉があります。
聞き続けていれば、ある時突然(即)わかる、というものではなく、今聞いている姿がそのまま助かる姿、と、親鸞聖人はおっしゃいました。
背後から頭を打たれたような場面でした。