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介入

2025年05月06日 22時18分 いい話 日誌 読む

介入の画像

川面に映る曇天と、一本の木を撮りたい。
すると、橋の端からダッシュする次女。

何のために?それは、走りたいから。
この後の予定など、見通しも立てることなく、ただ一生懸命に。

このあと走り足りない娘にせがまれて、3kmほどジョギング。
あたりが暗くなり始めたころ、帰り道の誘導を娘にまかせた。
すると、同じところをぐるぐる回り始める。
ふざけているのかと思ったら、本気で迷っていたようだ。
二人で、おなかがよじれるほど笑った。

私は、川面に映る曇天と、一本の木を撮りたかっただけだったのに、
結局息を切らせて帰宅。
こんな娘たちの「介入」を、この年になってようやく受け入れられるようになった。

さて、『仏説阿弥陀経』上段に、「羅睺羅(らごら)」という人物の名前が登場する。
羅睺羅はお釈迦様の実子。
羅睺羅はインド語で「ラーフラ」といい、「障り」「束縛者」という意味がある。

実子誕生の際お釈迦さまは「ラーフラが生まれた」。
これには「出家して修行をする妨げ」という意味があるとされてきた。
そのままラーフラと命名、父もそれを受け入れた。
いや、父にとっては言い国の王子が出家を断念してくれるだろうと、
受け入れどころか「歓迎」したのだろう。

さて結局、『仏説阿弥陀経』に羅睺羅の名があるということは、
その後の想像に難くないのだが、
私もこうして子を授かると、ときどき考える「ラーフラ」。
本当に、そう解釈していいのだろうか…。
確かにそれはあると思う。
なぜなら、子どもがいるために出来ないことはたくさんあるからだ。

けど、
自分のしたいことに対する妨げの「ラーフラ」ではなく、
我が命に代えても子を守りたいという、いくら修行をしてもコントロールしがたい情念の「ラーフラ」のような気がする。

私のひとりぼっちの人生に、子どもが「介入」してきました。
これでよかった、と言える人生を歩みたい。

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