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声明(しょうみょう)の稽古をしています。
簡単に言うと、「仏さまのメロディー」です。
先日、NHK『新日本紀行』(←クリック)が放送されまして、42年前の放映の後、10分ほど師匠ら「大原魚山塾」の取り組みが取り上げられました。正月明け早々、一人興奮しておりました。
塾名は、中国の山東省にある「魚山」で声明が盛んにおこなわれたことと、日本声明の聖地「大原」にちなみます。
また、高野山(真言系)の声明は「怒りの声明」、一方比叡山(天台系)は「泣きの声明」と、それぞれの唱法の特徴から呼ばれているそうです。
上の写真は、「ユリ」という旋律を「唄(ばい)」「散華(さんげ)」「伽陀(かだ)」というそれぞれの曲によって、微妙にゆれ方が異なることを表したものです。
西本願寺は昭和8年に、儀礼の大改訂が行われ、専門的な唱法の伝承は途絶え、誰もがやさしく唱えられる「大衆唱和」に移行したそうです。それには「儀礼の厳粛さや玄妙さの損失」と「法話による布教・伝道」への舵切りも伴い、僧侶間でもますます「マニアック」な世界になってしまいました。(結果、「儀礼軽視」「法話を聞いて”理解”しても、心がついていけない」現在に至る、というのは私の推論ですが、おそらく間違いないことと思われます)
時々、ご法事でこの声明を唱えます。20年かけてやっと1年生を卒業できるかどうか、と言われます。皆さん、どうか長生きしてください。