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1990年のベルリンの壁崩壊による東西統一から、経済的に安定しているドイツですが、経済優先だけで突き進んできたわけではないだろうと思います。
それを象徴する人物が2人います。
・エリザベス=キューブラーロス(1926-2004)
・アルフォンス=デーケン(1932-2020)
です。
彼らの略歴、著書は調べてみてください。2人に共通していることは、テーマが「死」であることです。デーケン博士の提唱する「デス・エデュケーション(死の準備教育)」が、私たち現代日本人が宿題として据え置きにしていたテーマではないでしょうか。自宅で死を迎えるのが一般的だった時代、火葬は業者ではなく地域の人々の務めでした。私見ですが、死が身近にあったことで、死に対して何らかの準備をする環境があったと思われます。
(詳しくは「読む」ページの「葬儀を考える」で…)
ところで、知り合いの中学生に「何のために勉強するのか」と質問をしたことがあります。彼の答えは「いい学校に入るため」でした。次に「なぜいい学校に入りたいのか」と聞くと「いい仕事につくため」と答えが返ってきました。しつこく「なぜ?」と攻めると「ほしいものを手に入れるため」。
答えるテンポが段々遅くなってきました。彼自身の中で「なぜ?」を反芻していたのだろうと思います。最後に私は「最期は手に入れたものを全部手放してお棺に入るね」と言いました。
これに応えられる大人がどれだけいるでしょうか?
コロナ事変の2020年は中高生の自死数が過去最高の479人だったそうです。「死生観」も取り組むべき課題のように思われます。