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中心に置くもの④

2021年05月30日 11時00分 仏教

中心に置くもの④の画像

「本尊」ということばを聞いたことがあると思います。
辞書には「本尊」=「神仏」とありますが、
もう少し掘り下げてみます。

本尊は略称です。正式には「根本至尊(こんぽんしそん)」と言います。

 

①根本・・・その人が生きるベース。
②至尊・・・もっとも大切にされるべきもの

ですから、「本尊」とは、「その人が生きていく上での、行動や判断の根本基準になっているもの」という意味です。したがって、1人の人間に2つ以上の本尊は存在しません。また、本尊を1つも持っていない人も存在しません。行動や判断には、それを決める「基準」が必ずあるからです。

ここで注意しなければならないことは「行動や判断の基準は場面場面で異なる」ということです。たとえば、仕事と家庭のどちらが大事かと問われても容易に答えられませんし、今日の昼ご飯を何にしようかという程度の基準は、その時の気分によって変わります。
これらの「表層基準」とは異なり「深層基準」にあたるものが「本尊」です。
「深層基準」とは「私の人生の生き方」に関わる部分です。

難しく表現してきましたが、簡単に言うと「私はどんな生き方を求めているか」ということのベースにあたるものが、「本尊」であります。
したがって、神仏が本尊であるということは、「私の人生(生死)のベース」が神仏の側にあるということであります。

(最終回⑤につづく)