中心に置くもの②
2021年05月27日 23時04分
仏教
歌手の松田聖子さんが、1997年のユニマットのCMに出ていました。
上にあがるエレベーターが開くと、自分のオフィスが広がります。
コーヒーを入れてパソコンの画面を見ながら、子どもの声に微笑む。
そこで本人のナレーションです。
「あなたがいるから、頑張れる。」
このセリフに違和感をもった、という人がいました。
この話を聞いた時、私はまだ独身でした。
「あなたがいるから、頑張れる」。―さして違和感を感じませんでしたが、
あとで理由を聞き、また私も子どもを授かって、
その
違和感の正体がはっきり分かりました。
当時、娘の沙也加ちゃんは11歳くらいだと思います。
母として、我が子の
ために汗を流す時期だったと思います。
どうでしょう。ここで2つの表現を比べてみましょう。
「あなたがいるから、頑張れる」
「あなたのために、頑張れる」
この2つは非常に似ていますが、内容が正反対です。
つまり、
前者は私が中心、
後者はあなたが中心です。
もう少し詳説すると、前者は
「私が頑張るにあたっては、あなたがそれをサポートしてくれている」という表現です。一方後者は
「私が頑張りの根本には、あなたという存在がある」という表現です。
この辺の違いがはっきりわかってくると、仏教、ひいては浄土真宗の要点をつかみやすくなってくると思います。(③へつづく)