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上の子二人と自転車で郷分方面へ行きました。
土手沿いの道ではなく、田んぼに囲まれた道を縫うようにして漕ぎました。
あるたんぼで、女の子が田の代搔き(しろかき)をしているではありませんか。
脇道ではおじいちゃんが熱のこもった指導をしています。
おじいちゃんの隣では小学生くらいの女の子がじっとしゃがんだままです。
「代搔きの子はお孫さんですか?」
反射的に足を止めて、話しかけてしまいました。
「おう、そうよ」
めちゃくちゃうれしそうです。
「写真を撮って、ホームページにアップしてもいいですか」
おじいちゃんとご本人にお許しをいただきました。
「あの子は小さいころから機械好きで」
聞けば、小学生のころからこうして手伝いをしているとか。
高校2年生になって、農業の勉強をしたいということで、現在は国立大学の農学部1年生。
「一人前にできるようになったら、わしは引退じゃ」
めちゃくちゃうれしそうです。
いや、私もすごくうれしい気持ちになりました。
私はこのコロナの時代を迎えて、わが国での人間の営みということを考え直した時、
農業が一番最初に頭に浮かびました。
食料自給率は2018年に過去最低の37%になりました。
大半を輸入品に頼らざるを得ない状況は好ましくありません。
2010年に民主党政権が50%目標を打ち出しましたが、
2015年には45%に引き下げられました。
さて、お米についてですが、統計開始の昭和35年より、水稲の作付面積、収穫量は、ずっと右肩下がりです。10a当たりの収穫量は増えている、つまり技術は確実に高くなっているのに、なぜ減っているかというと、1人当たりの消費量が減っている(現在は昭和35年の半分)のが直接の起因かも知れません。
「時代の流れ」に逆らうことは出来ませんし、農業も経済活動のひとつです。
きれいごとでは語れません。
しかし、今日見た光景が、いつまでも続いてほしいと思ったことでした。
ほんの5分ほどのご縁だったのに、いつまでも思い出していたい皆さんのお顔でした。
帰り道にふたたび寄りました。
……おぉ。きれい。